白帝文庫について
理事長あいさつ
国宝犬山城は、成瀬正成が元和3年(1617)に二代将軍徳川秀忠から拝領して以来、代々成瀬家によって守り継がれてきました。成瀬家は三河国足助庄から出て、松平(徳川)家の譜代として働き、徳川家康の命により、尾張徳川家の付家老に任じられ犬山城主となりました。また、明治24年(1891)の濃尾震災の折には市民とともに天守の再建に努め、その後、日本唯一の個人所有の城としても知られるようになりました。
しかし、国宝を未来に向けて長く保存・公開するという観点に基づき、個人所有から法人による事業展開への道を決意し、平成16年に「財団法人 犬山城白帝文庫」を設立いたしました。その際、成瀬家から犬山城と伝来の資料を犬山城白帝文庫に寄付し、国宝天守は犬山市が管理団体として管理・運営していくことになりました。
その後、今日まで地域文化の発展に寄与するため、犬山城と関連資料の調査研究、保存、公開、教育普及などの事業を行ってまいりました。その間、たいへん多くの方々のご賛同、ご指導、ご協力を得てまいりましたことはいうまでもありません。ここに改めて感謝申し上げます。
そして、こうした活動が認められ、平成25年4月1日には公益財団法人に認定されました。これを機に、犬山城と関連資料の調査・研究を一層深め、事業を広げてまいりたいと考えております。皆様の今後とも変わらぬご指導・ご協力をお願い申し上げます。
公益財団法人 犬山城白帝文庫
理事長 成瀬 淳子
白帝文庫について
犬山城白帝文庫は、犬山城と成瀬家伝来の美術工芸品・歴史資料を調査研究・保存・公開するため平成16年4月1日に財団法人として設立され、平成25年4月1日には公益財団法人に認定されました。
名称の由来は、犬山城が白帝城とも称されていることによります。江戸時代の儒学者荻生徂徠は、木曽川沿いの小高い山にそびえる犬山城が、中国の名城白帝城(重慶市奉節県)を思い起こさせるとして白帝城と名付けたと伝えられています。
当文庫の事務所は旧城内に位置し、資料を展示・収蔵する歴史文化館は「城とまちミュージアム」内にあります。
事業内容
犬山城および城主成瀬家に関する資料の保存・公開・収集、調査・研究、資料貸出、教育普及などの活動をおこなっています。
展示は、「城とまちミュージアム」(犬山市文化史料館)の第1展示室を歴史文化館展示室として、「犬山城と城下町」をテーマに伝来の美術工芸品や歴史資料を常設展示し、随時展示替えしています。また、春には所蔵品を中心とした企画展を「城とまちミュージアム」第1展示室にて、秋には多方面から借用した資料を加えた特別展を「城とまちミュージアム」第1・第2展示室を会場として開催します。同時に、所蔵品の装束や美術資料などの修復をはじめとする保存事業にも取り組んでいます。
教育普及活動は、所蔵の古文書をテキストにした古文書講座、各地の文化財を視察する研修会、講演会を開催しています。
調査・研究活動の成果は、年1回発行の研究紀要にて発表しています。